バンコクではほとんどすべてのとおりに番号がついています。「Soi」という表示です。たとえば「えがお歯科・トンローデンタルクリニック」があるとおりの名前は「スクンビット55・ソイ10」となる。これはスクンビット通りのソイ55でその通りのソイ10ということす。このソイの番号は、王宮を中心に伸びるスクンビット通りやペップリー通りでは王宮から出発して最初の左側の通りがソイ1、最初の右側の通りがソイ2となり左側は1,3,5,7,9・・・と奇数番号、右側の通りは2,4,6,8,10・・・と偶数番号になります。ですから王宮を出発してスクンビット通りを進み左手に奇数の数字を見ながら進み、ソイ55を左折し右側を見ながらソイ10を右折すれば「えがお歯科・トンローデンタルクリニック」たどり着くのです。そのためタイのタクシードライバーは地図が読めません。また一般の方も地図を見ることはしません。もっともタイでも今はタクシーにもカーナビゲーションが装備され始めましたから地図は必要ないかもしれませんが、このソイ表示を見ていけばほとんどの場所にたどり着くことができるのです。日本でも地図が読める若者が減ってきています。一昔前は「話を聞かない男・地図の読めない女」という本がベストセラーになりましたがそれも遠い過去のもの。今では地図は目的地に行くためには必要のないものとなってしまったのかもしれません。しかしたとえばビジネスにおいて地図が読めるかどうかは大きな差がつきます。縮尺を理解し、人口密度を考え、街の利便性を研究し、災害に備えるために地図はとても大きな働きをします。失ってはいけない大切な知識が教科書の中だけで教えられていくことを寂しく思います。