世界は広いといっても薬に関しては今のようにグローバルな世の中でそんなに大きな違いはありません。抗生物質や鎮痛剤などその成分は世界共通のものがほとんどです。新薬の特許やその流通も世界的なもので、ある国が自由に独自に生成することは違法となります。あえてそれを違法に生成している国があるのも事実ですが合法範囲内では同じ成分のものが世界中で手に入ります。しかしその中で違うものがあります。それは色です。日本では薬に使われる色は、白、アイボリー、薄いブルー、薄茶、薄いピンクなど優しい色を使うのが普通ですが世界では違います。ショッキングピンク、コバルトブルー、エキセントリックイエローなど薬といえばどぎつい色というのが定番です。これはほかの食べ物と区別しやすいようにという配慮からこれらの色が採用されたようですが、さすがに文化の違いを感じます。海外に出て暮らすためには日本の常識を捨てて現地のものを受けいれることが大切といつも言っているにもかかわらず、少々苦手です。そのような薬に出会って10年以上がたち今では大きな違和感はなくなってきましたが、今でも初めて見るようなどぎつい色の薬を見ると、思わずチャンチャイ先生に「これ大丈夫?」と尋ねてしまう自分がいます。まだまだ修行が足りません。